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いつの出来事か忘れてしまったとしても……。
本当に大事なことは忘れてない。
血まみれた思い出が、圧倒的割合で多くても……。
僕は夏鮫に出逢えて良かったと思う。
「さあ 秋醒。開いて」
僕は首を縦に動かし、手を前に伸ばした。
力を込めて、指先を操り、異次元ホールを開き始める。
出口の設定は、暗闇の間。
この向こうに……夏鮫がいるはずだ。
僕は穴を開き終わり、腕を降ろして、ノア様の方を振り返った。
「ノア様。僕が先に行きます」
「ええ。でもあなたは、ただ一緒に居てくれれば良い」
ノア様が何を考えているのかはわからない。
これから何が起こるのか……?
不安な心を抱えたまま、僕は夏鮫に会うために異次元ホールへ飛び込んだ!
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