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肩から斜めに刀は振り下ろされ、皇子の刀に負けない程の赤い液体が撒き散らされる!
危なかった!!
僅かに身を引き、傷を浅くする事に成功した!
だが、最初に食い込んだ時の傷が深く、左肩は上がりそうにない……。
もう左手は使えないか。
「──!」
傷が浅く命を拾った事に安心したその時、目の前の光景に慌てる。
斬られた時に散った血。垂れた血。今、現在肩から溢れている血が、風で引き寄せたように皇子の刀に吸い込まれていく。
「これが刀の能力。吸った血は、自由に使う事が出来る。今まで吸った血を貯めているおかげで刀身が赤いのだ」
吸血鬼か……?
肩の傷からは血が溢れ、刀に向かって流れていく。
まずい!
俺はフライシューズのエンジンをかけ、皇子から距離をとった!
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