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「ははは!逃げても無駄だぞ!」
慌てて距離をとったが、肩から溢れた血が線となり、皇子の刀に向かって流れていく。
少し遠くなった皇子の声が部屋に響いた。
「この刀に斬られれば、傷口から血が流れ続け、刀身に死ぬまで血を吸われ続ける」
「つまり一度でも斬られれば、その時点で終わりなんだよ」
吸われるような感覚が続く傷口を、俺は虎徹で押さえつけた。
しかし隙間から血は溢れ、俺と皇子を繋ぐように血は刀に流れていく。
一度、斬られたら終わり……。
その血も自由自在に使える……。
既に斬られてしまった俺は、死ぬまで血を吸われ続けることになるな。
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