壱
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貴子は困ったように子どもたちに言う。 「・・・もう、おやすみの時間でしょ?」 ごめんなさい、と俯くのは姉の亜貴だけ。 志貴は淳の腕の中でキャッキャッと跳ねている。 淳は亜貴に手を差し伸べる。 「さあ、寝るんだ。お部屋に行こう。」 え――っ、と志貴は不貞腐れたが 淳に静かに見つめられ、はぁい、と頷く。 よろしくね、と言う貴子に 淳は微笑んで二階に上がっていく。
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