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――――天草四郎――――
■メインストーリー第1層終盤地点
上空100メートル
少しだけのつもりでしたが、思いの外に長く休んでしまいました。
もちろん、敵の親玉の正体を掴む時間なんてあるわけがありません。
慌ててメインストーリーに入って、副長の後を追うように瞬間移動を行いましたが、どうやら思ったよりも先に進んでしまったようです。
土方副長の体内エネルギーは微かに感じますが、私が居る位置よりもまだ全然後ろの方みたいです。
私がメインストーリーに入ったのは、まだ10秒ほど前ですからね。
正直、それ以外の状況を全く把握していません。
私は胸に手の平を当てて、第1層全体の状況を探りました。
キュピーン
探る時は心の中でこう呟くと、能力の精度が増す気がします。
なるほど……。
土方副長の近くにかなりの実力者が居るみたいですね。
相手はまだ余裕で、土方副長の方が衰弱に近いほど圧されています。
助けにいきましょうか?
いや……。
今の彼は私に助けられるぐらいなら死を選ぶでしょう。
それにしても、おかしいですね……。
私は大きな違和感を覚えました。
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