491人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
■東側領土(森林前)
ホワイトマジック
第5部隊隊長
――――アレイオン
「敵は前方に身を潜めて侵攻してきている! 数は4000!」
その声に神経を研ぎ澄まし、敵がいつ現れて攻撃を仕掛けてきてもいいように戦闘態勢を整えた。
私は、ホワイトマジック第5席の地位につくアレイオン。
現在、ホワイトマジックの領土内東側の森林前で防御壁を作り出し、自らの部隊は壁の外側に出て防衛の任務に徹している。
領土に謎の敵が侵略してきてから、3時間が経過しようとしていた。
ホワイトマジックの象徴ともいえる白銀に輝いていた城は、無惨にも真っ二つに割れている。
城だけならともかく、領土の中央の地面にはどこまでも続く溝が出来ており、東と西に分かれた状態になってしまっていた。
この異常事態にホワイトマジックは総戦力で対応することになったが、情勢はこちら側が押されていることは明白だった。
これほどまでの緊張感が領土内で漂ったことは、今までに一度もない。
そして、不気味なことに敵は全くと言っていいほど我々の前に姿を現さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!