白銀のバシリッサ

4/23
491人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「敵の数が判明! 4000!」 解析班からの声に反応して戦闘態勢を整えるが、予想以上の数字に私は戸惑いを隠せなかった。 4000!? 「何かの間違いじゃないのか!」 別部隊の隊長から怒号が響き渡った。 「いえ! 間違いありません! 敵の数は少なくとも4000以上はいます!」 それほどの大勢の敵が、何故これまで姿を隠すことができたんだ? 言った通りの数ならば確かに手の数が多かったことは頷けるが、誰ひとりとして肉眼で確認できないなんてなどあるはずがない。 姿を消す……つまり敵の能力者の中にそういう人物が居るのかもしれない。 例えば、自分が触れた人間は一定の時間は全てが透明になってしまう。 だが、それだと腑に落ちない点がいくつかある……。 透明にする能力を持って居たとしても、実際に体は存在する可能性が高いはずだ。 つまり、見えなくても触れることはできるはず。 それなら体内エネルギーで感知できるのだ。 だからこそ、4000もの敵を感知できないなど、現実的にはあり得ない。 一体、我々を攻めてきているのは何者なんだ? 人間なのかですら疑ってしまう。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!