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「大人のけじめ……?」
空は不思議そうな顔をしながらヒカルに言った。
「ヒカルお兄ちゃんは悪くないよ。むしろ、僕はすごい好きだよ。だって僕の事を救ってくれたんだから。だからこそ、今度は僕が救う番だ。世界が変わる瞬間を終えて、僕たちは支配者側で過ごすんだ」
いつから空が私たちを裏切っていたのかはわからない。
きっと誰かにそそのかされたんだろう。
だけど、そんな事はもうどうでも良い気がした。
大事なのは、目の前の空が以前とは別人になってしまい、その想いは二度と変わらないであろうと伝わってくるほどの強さがあった。
「空……」
ヒカルは小さな声で空の顔を見て呟いた。
「待って!」
その途端、ルイが呼びかけたが既に遅かった。
私たちの前に立っていた空が、凄まじい衝撃を受けて吹っ飛んでいった。
薙ぎ倒される木々。ほんの一瞬の出来事だった。
ヒカルはその場から動いていない。
ただ、手を振りかざしただけだった。
しかし、その直後、吹き飛ばされたはずの空が突然ヒカルの前に姿を現した。
ヒーロースーツを身に纏った空は、拳を握り締めてヒカルに襲いかかる。
全身からは禍々しい体内エネルギーが溢れていた。
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