白銀のバシリッサ-2

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今度は、フェイントを入れてヒカルの顔面を拳が直撃した。 今度は踏みとどまり、何とか吹き飛ばされそうになったところを防いだが、明らかにヒカルの劣勢だった。 地味な攻撃かもしれないが、確実にヒカルに攻撃を当てている。 これは二宮が教えた戦略だ。 小さな攻撃でも積み重ねていけば、大きな一手は生まれる。 堅実な二宮の教えを守っているのだろう。 ヒカルが空の攻撃を対処できないのも無理はないのかもしれない。 何故なら、これまでに一度も空がそういう攻撃を放っているところを見ていないからだ。 攻撃を放ってくる際、わかってはいてもいつもと同じような光景が頭の中で過ってしまう。 よく知った相手ほど戦いにくいとはこういう事なのかもしれない。 気付けば、少しずつ心が冷静になってきていた。 目の前で大切な仲間が裏切ったというのに、こんなにも平常心を取り戻して二人の戦いを分析している自分に嫌気が差した。 それでも、私は能力を発動させてPCを取り出した。 シャルキーのダメージを分析して、治療する方法を探り始める。 同時に、ヒカルと空の戦いにも分析をかけた。 私に何ができるか? それは、私にできることをただこなしていくしかない。
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