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空は、ヒカルに攻撃をさせまいと次の一手を放とうとするが……。
冷静に考えてみれば、ヒカルはまだ何もしていない。
抜刀して、白煙と黒煙を噴出しただけだ。
それはヒカルの余裕とかではなかったが、おそらく迷っていたのだろう。
パソコンに表示された結果は、ヒカルがまだ本来の10%も力を出していないことだった。
迷っていたのは空と戦うことにだ……。
木に打ち付けられたヒカルは、白煙と黒煙を神刀に集中させた。
ヒカルの身を守るものが無くなった。
隙が生まれたことにより、空は少しでも早くヒカルに攻撃を当てようと速さを上げる。
しかし、次の瞬間、ヒカルは、空が自分に大蛇の拳を当てるよりも早く刀を振り下ろした。
ただ、刀を振り下ろしただけ。
白と黒の光を放ちながら振り下ろされた神刀によって、目の前に居た空はまともに攻撃を受けてしまう。
目に映るものが半ば信じられなかった。
空が押し付けらた木は勢いよく倒れて、数十メートルほど吹き飛ばされた。
ヒカルに迷いが無くなったのかもしれない。
それに……。
ヒカルはその場から動かずに、空の様子を窺った。
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