白銀のバシリッサ-2

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そうだ……。ヒカルには神刀がある……。 空が小さく積み重ねた攻撃を一気に上回る一撃。 木に叩きつけられた空のヒーロースーツは所々が破損していた。 おそらく何本か骨折はしているだろう。 パソコンには、空のレベルが表示される。 私が予想していたよりも遥かに高い数値だった。 3万2765……。 これなら私やルイじゃ空には勝てないだろう。 五芒星のどこのチームに入っても、幹部クラスでやっていける実力だ。 でも……。 今となっては、ヒカルのレベルはその倍以上はある。 空がいくら戦略を練ろうと、真っ向から戦えば今みたいに簡単に突破されてしまうんだ。 「今の一撃でわかったか?」 ヒカルは構えていた神刀を降ろして、空に向かってそう言った。 「俺に勝つことはできない。それでもお前が俺に向かってくるなら、俺は今度こそ本気で戦おう」 張りつめた空気の中、落ち着いた様子で話すヒカル。 それに対して、空の方は息も荒くかなり焦っているようだった。 空も恐れているんだ。 たった一撃して受けていないがこの刀の力に……。 そんな中、ヒカルから信じられない言葉が放たれた。 「空……。悪かったな。巻き込んじまって……」 ヒカルの瞳が、僅かに潤んでいるような気がした。
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