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そうだ……。ヒカルには神刀がある……。
空が小さく積み重ねた攻撃を一気に上回る一撃。
木に叩きつけられた空のヒーロースーツは所々が破損していた。
おそらく何本か骨折はしているだろう。
パソコンには、空のレベルが表示される。
私が予想していたよりも遥かに高い数値だった。
3万2765……。
これなら私やルイじゃ空には勝てないだろう。
五芒星のどこのチームに入っても、幹部クラスでやっていける実力だ。
でも……。
今となっては、ヒカルのレベルはその倍以上はある。
空がいくら戦略を練ろうと、真っ向から戦えば今みたいに簡単に突破されてしまうんだ。
「今の一撃でわかったか?」
ヒカルは構えていた神刀を降ろして、空に向かってそう言った。
「俺に勝つことはできない。それでもお前が俺に向かってくるなら、俺は今度こそ本気で戦おう」
張りつめた空気の中、落ち着いた様子で話すヒカル。
それに対して、空の方は息も荒くかなり焦っているようだった。
空も恐れているんだ。
たった一撃して受けていないがこの刀の力に……。
そんな中、ヒカルから信じられない言葉が放たれた。
「空……。悪かったな。巻き込んじまって……」
ヒカルの瞳が、僅かに潤んでいるような気がした。
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