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その言葉でなのか、それともヒカルの圧倒的な強さを垣間見せられたせいなのか、空の心は折れて膝を地面につけた。
両手の平を地面につけて俯きながら嗚咽した。
静かな空間に、空の泣き声だけが響き渡る。
いつ以来だろう……。
空がこんなにも泣くのは……。
あんなに小さかった子供が、いつの間にか立派な大人に成長していた。
空をこんな風にしてしまったのは、間違いなく私たちのせいだろう。
私たちが歪んだ行動を続けたせいだ。
ルイはそんな空の姿を見て、母のように優しい言葉をかけた。
「空。前にも言ったよな。あたしたちは一度は失敗した人間だ。そこから這い上がってきた。でも、人間はまた失敗することもある。だから、またやり直せばいいんだ。罪を償いながらでも……」
空は自分で悪いことをした自覚はないかもしれない。
私たちを救いたいって気持ちは本心だろう。
世界が変わる瞬間が間違っているなんて、私たちの思い込みかもしれないのだ。
ただ私たちは、ヒカルの大切な人を救うためだけに動いている……。
「――――!」
「ルイ!」
私の叫び声が辺りに響き渡る。
ルイは能力を発動させてデッドマリオネットを全体放出した。
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