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「なんでだよ?」
「いいから」
私の言葉に、ルイは明らかに不服そうな顏をしたが仕方ないと言った様子で能力を発動させた。
異次元空間の中から現れたのは新撰組のミラだった。
「んで、こいつをどうすればいいわけ?」
ルイがいつでも命令を出せる仕草をすると、私は首を横に振ってから答えた。
「違う……。全部出して」
デッドマリオネットは、ルイが作り出した異次元空間の中に最大で6体まで収納が可能だ。
つまり数が減っているか確かめる為には、全てのマリオネットたちを出してもらわなければいけない。
「何でだよ。体内エネルギーが勿体ないんだけど。何かあるなら早く指示してよ」
今度はルイは激しい嫌悪感を示して凄んできた。
「いいから。早く!」
それに対して、私は怒鳴り声を上げた。
ルイがその言葉を聞いて私から視線を逸らすと、再びシャルキーを抱えて答えた。
「嫌だね。マリオネット達はあたしのタイミングで出す」
数が減っているから出せない……?
私の心が、段々と確信という言葉に近づいていく。
ルイはシャルキーを抱えながら私に近づいてくると、睨みつけながら話した。
「シャルキーの治療が先決だ」
その言葉に、私が思わず本音を口にする。
「嫌なのは、デッドマリオネットを全部出せないからじゃない?」
ルイの瞳を私はじっと観察をした。
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