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「は? まさか、あたしの事、疑ってんのかよ?」
明らかな疑いの言葉を発した事により、ルイも質問の意図を完全に理解したのか表情が変わった。
ルイはシャルキーを抱えながらも、私に向かって殺気を放ってくる。
「さっきまではあたしもシャルキーの事を疑っていたよ。でも、この状況を見て確信した。シャルキーはやっていない」
「それは私も同じ見解よ」
ルイの目付きは、段々と蛇みたいに鋭くなり始めた。
「そして、別の事も確信した。あたしは仲間を一瞬でも疑ったことを恥じている。はっきり言っておく。犯人はブラックスターのメンバーじゃない。あたしたちに気付かれないほどの能力を持った別の誰かだ」
ルイの顔つきや仕草、そして口調からは嘘を言っている様子ではなかった。
でも、演じているだけかもしれない。
そう思うのは、私やヒカルが気付かないほどの能力を持った人間がいる可能性の方が低いからだろう。
「あたしを疑うのは勝手だ。何だったら、拷問してもいい。でも、それはシャルキーと空の治療が終わった後だ」
ルイは、シャルキーの喉を押さえながらこう言った。
「そうだろ? ヒカル」
ヒカルは、空を背負ったまま私とルイのやり取りを見守っていた。
私はヒカルの返答を待った。
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