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しかし、しばらく沈黙が続いた。
ヒカルが悩んでる……?
何を悩んでるのかわからないが、ヒカルは何かを考えていることだけは確かだった。
それとも……。この状況に初めて本当の焦りを感じているのだろうか。
自分が築き上げたチームが既に崩壊していることに……。
二宮……。あんたがいないのは、やっぱり大きいよ。
こんな時は、いつも二宮が仕切り、解決策を提案してくれていたはず。
それだけじゃない。ユキヤ、はるかが居てこそのブラックスターだったんだ。
ヒカルさえ生き残ればそれでいい。
それがブラックスターの方針だったし、全員がそう思っていた。
だけど、本当は誰もかけちゃいけないのが、私たちの星だったのかもしれない。
長い沈黙が続いた後、ようやくヒカルが重々しく口を開いた。
「空とシャルキーの治療を優先する。そのまま京香が居る場所まで一気に進行するぞ」
いつものヒカルのなら、絶対に言わない事だった。
私は、その言葉を聞き、目頭が熱くなった。
本当は、心のどこかでその答えを出してくれるのをずっと待っていたのかもしれない。
「わかった……」
私はすぐに返答した。
だからこそ、目を疑った。
その直後、ヒカルが地面に崩れ落ちたから。
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