白銀のバシリッサ-2

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空はゆっくりと起き上がると、背後からそっとヒカルの体を押さえつけた。 ぎゅうっと、背中に置かれた手に強く力が入ったことがわかる。 ヒカルは意識を失ったのか、空に抵抗することはなかった。 「何……してるの……?」 私は少し声をひきつらせながら呟くように言った。 「ふうー」 空は小さく息を吐くと、残った片方の手を伸ばして大きく伸びをする。 ルイは表情を変えずに動揺することなく、空の事をじっと見ていた。 「本当はこんな形を望んでいたわけじゃないんだけどね」 空は少し切なそうな顔をして、ヒカルの背中に視線を落とす。 この時、頭の中が混乱に陥りながらも私は状況を理解した。 シャルキー、卑弥呼、そしてヒカルを襲ったのは間違いなく空だってことを……。 「でも……」 吹っ切れたような顔つきをする空は、やはり私たちの知っている空じゃなかった。 目の前には別人が居る感覚。だけど、それは誰に操られているわけでもない。 間違いなく空だった。 過ごした時間が長いからこそわかることだった。 空は視線を上げて、私とルイを見ながらこう言った。 「しょうがないよ。みんなが反対するからね」 ヒーロースーツから醸し出された何かは能力を放つ際に生じる独特の雰囲気。 私とルイは、警戒しながらも空の話に耳を傾けた。
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