黒い星として

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「どうせ。コピーだろ。消えろ」 ユキヤの粘土は異次元空間に消え鳴るように一瞬にして凝縮して、今度は黒い影に暴れさせる時間すら与えなかった。 極限まで潰された黒い影の残骸だけが辺りに散らばる。 すごい……。 敵に攻撃をさせる隙を与えずに一方的に倒した……。 しかし、ユキヤが警戒心を弛めることはなかった。 張り詰めた空気の中、周囲を見渡して何かを探っている。 「おい。お前ら……」 ユキヤは周囲を警戒しながら口を開いた。 「ルイ。空を担げ。ヒカルは俺が担ぐ。天海は能力を発動しながら周囲を探索しろ。どうやら俺の行動が相当気にくわないらしいな。数が多すぎる」 そう言いながらも、自身の体内エネルギーを放出してユキヤは能力を発動させた。 断続的に見えない粘土を配置している……。 まだ敵が居るってことよね……? 疑問に思った矢先だった。 木の真上からいくつもの黒い影が姿を現す。 その数は10を超えていた。 「走れ!」 こんな性格でもユキヤは意外と冷静に行動ができる。 勝算の低い勝負はしない。 いつぶりだろう……。 二宮とヒカルがいない時に仕切っていたユキヤは当時の姿とそのままだった。 私は能力を発動させて、全力で走りだした。
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