黒い星として

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「ついてこい!」 ユキヤはヒカルを担ぎながら、風の如く木々の間を華麗に縫っていく。 私とルイは、その背中を必死に追いかけ始めた。 背後からは、いくつもの黒い影の威圧感を覚えるが、私はユキヤを追うと同時にPCの操作に集中した。 その刹那、背後で耳を裂くような鈍い音が響き渡る。 振り返って何が起きたのか確認しなくてもわかる。 この音は聞き慣れてるわ。 急に懐かしさが込み上げてきた。 黒い影が、ユキヤの見えない粘土に衝突したんだ。 ブラックスターが逃走する時、最も適した能力を持っているのがユキヤだった。 やばい時は、この方法をよく使った。 見えない粘土を地雷のように大量配置して、障害物としての役割を果たさせる。 ユキヤの走った道を辿れば、私たちは粘土にぶつかる事がないからね。 私はPCを調査モードのみにした。 背後に居る敵の数は13。 これならユキヤの見えない粘土があれば、振り切ることができるかもしれない。 その事を告げるために顔を上げようとした時、もう一度画面を見た。 そして、凝視した。 前方に知らない体内エネルギーが表示されていた。 凝視した理由はそれだけじゃない。 信じられない現象だったからだ。 私は画面から視線を外して前を見た。 ヒカルを担いで先頭を走るユキヤ。 知らない体内エネルギーの場所は、あの体の中だ。
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