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相手は、俺の事をほとんど知らないはず。
戦い方の癖や、能力の内容など、初めて戦う者なら知らなくて当然だろう。
それは俺にとっても同じだが、相手を見極めること、つまり本質を見抜くことには自信がある。
だからこそ、一気に勝とうとは思わずに、確実に勝率を上げていくんだ。
相手を知り尽くせば、如何に実力に差があっても、必ず勝てるはず。
俺は、その考えに自信を持っていた。
アニーは、俺が逃げたことに気がつくと、辺りを見渡した。
地上にいない事に気が付くと、今度は視線を上に向ける。
そこで、ようやく俺の姿を見つけて、上へ逃げた事に気がついた。
この間、僅か2秒近くの出来事だが、アニーに隙が生まれていた。
姿を探すタイミングで攻撃を仕掛けるのは、リスクとしてもあまり高くない。
まだ始まったばかりだ。
焦るな。確実にあいつを倒すために……。
アニーはその場から手を伸ばし、能力を発動させた。
手の平から生み出す突風が、俺に向かって放たれる。
この風が厄介なんだ。
まるで刃のように鋭い風。
俺は、自分の靴を投げ飛ばした。
靴が風に触れると、目映い光を解き放ち、爆発を引き起こした。
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