黒い星として-2

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俺は、爆風に吹き飛ばされながら自分の身を守った。 刃の性質を持った風。 その風に少しでも触れると、起爆するようになっている。 それも信じられないほどの破壊力だ。 刃で殺し損ねた相手を、確実に殺すための能力なんだろう。 いや、多人数を相手にした時を想定して作られた能力なのかもしれない。 アニーの様子を見ていると、能力の燃費は良さそうだな。 この能力で何発も放てるとなると、ガス欠を狙うのは多分無理だろう。 こっちが先に殺られる。 それに、断定はできないが、他にも切り札を隠し持っている可能性は十分に高い。 そうなると、こっちの方策はどんどん減っていくことになる。 俺は、爆発から逃れて上手く着地すると、アニーを見据えた。 およそ数十メートル先に立つアニーからは、またしても体から刃の風が放たれる。 そろそろ仕掛けてみるか。 俺は、獅子の足に思いっきり力を入れた。 風は直線……。 俺は大きく跳ぶと、ハードルを越えるように風を避けた。 風の範囲はさっきの2回でだいたいわかった。 案の定、俺は上手く風を避けることができた。 そのまま一気に距離を詰めて、アニーの目の前で降り立つと、俺は拳を放った。
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