黒い星として-2

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王龍が何故そんな言葉を発したのかは理解はできなかった。 ただ、言葉の意味は何となく理解することができたんだ。 もうすぐ、運営委員会にとってはプレイヤーに最も辿り着いて欲しくない場所がある。 そう、メインストーリーの第10層。 龍の心臓部と呼ばれる場所だ。 その中で最後に待っているのが、このブラックアウトの核となる終末の木。 ここまではすんなりと来たが、運営委員会は何としてもプレイヤーが辿り着くことを阻止してくるだろう。 王龍はその事を教えてくれたんだ……。 この先に進めば、おそらく運営委員会でトップの実力を持つ者が待っている。 それが世界の王……? 俺は状況を整理することにした。 ここまで五芒星で辿り着いているのは、ブルーダイヤモンドのアロだけだ。 リリルさんとホワイトマジックのリーダーは、おそらくまだ第9層には来ていない。 そうなると、これより手前で足止めをくらっているのか? それとも、既に死んでいる? 妙な胸騒ぎがした。 本当に、美沙と杏奈を先に行かせてよかったのか? それが正しい決断だったのか? 運営委員会が一番優先すべきことは、プレイヤーの排除じゃないことは間違いないはずだ……。
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