黒い星として-2

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答えは、今考えてもわからない……。 でも、先に進んだ美沙や杏奈の身が心配だった。 俺は、視界を埋め尽くすほどの巨大な怪物を見据えた。 今、意識してわかったことだが、和也の体内エネルギーがどこかから感じる。 生きていた……。 ここには土方さんもいるし、ブルーダイヤモンドのアロもいる。 俺に出来ることはここに居ることじゃない。 先に進むことだ。 俺は、自分の両足を獅子に変えて足裏に力を入れた。 第10層までどれくらいの距離なのかはわからないが、美沙と杏奈はまだそう遠くにはいっていないはず……。 何があっても失いたくない。 和也……俺だって、はるかを失った時にそう思ったんだぜ。 だから、先に行って待ってるよ。 俺は、地を蹴って全力で走り出した。 景色が流れていく中、俺は視界の先に美沙と杏奈がいないか必死に探し始める。 死神の力が体に影響を及ぼしているのか、自分が思ったよりも早く走れているような気がした。 いや、気のせいじゃない。 体の中に渦巻く死神の力。 自分の命があとどれくらいなのかはわからないが、自分にできることは必ずやり遂げる。
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