黒い星として-2

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私の側では、気品があり麗しい女性が座っていた。 まるでどこかの大きな国の王様みたいな服装をしていて、真っ白な色が特徴的だ。 胸の辺りに入った紋章は、ある程度のブラックアウトのプレイヤーならば知らない者はいないだろう。 そして、私の目の前に座るその人物も……。 面と向かって話した事はないけれど、もちろん私もよく知っている。 ホワイトマジックのリーダー、シャルアネットだ。 起き上がり、辺りを見回すと、どこかのテントの中に居るみたいだった。 概ね、陣営に作られたテントってところだろう。 ということは、ここは戦場なのかもしれない。 シャルアネットは、まだぼんやりとした様子の私を見ながら口を開いた。 「ブラックスターのシャルキーだな?」 私は黙ったまま深く頷いた。 ホワイトマジックとは、ヒカルの病気を治してもらうために取引をした流れがあるけど決裂している。 その治療を行うのがシャルアネットのはずだった。 ブラックアウトのプレイヤーの中では、最も治療系に長けた能力者。 どんな病気でも怪我でも、とりあえず生きてさえいれば治療することができるらしい。 致命傷を負った私を治したのも、まず間違いなくシャルアネットだ。
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