黒い星として-2

25/35

504人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「助けたのは善意ではない。それは理解できるか?」 シャルアネットの雰囲気は、同じ女性とは思えないほどの威圧感だった。 美しさを備えた容姿と、その実力は、私が男なら間違いなく惚れていただろう。 私は質問に対して頷いた。 「先で見てきた事を全て話してもらおう。その他人から奪った能力もな……」 シャルアネットは、私の能力を見抜いているようだった。 「ちなみに、あれは私でも治療ができなかった」 シャルアネットが私から視線を外してそう言った。 私はただ視線の先を見る。 テントの中には、シャルアネット以外には誰もいない。 でも、1つの死体が転がっていた。 ルイのデッドマリオネットだ。 私は運ばれたからこそ、シャルアネットが助けてくれたんだ。 「もう1つ話しておこう。私は治癒系の能力を応用して、他人の能力を解析することができる。嘘は自分の身のためにならないことを心得といてくれ」 はったりを言っている感じではなかった。 ただ、口調はまだ優しいが殺意を押さえ込んでいることはわかる。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

504人が本棚に入れています
本棚に追加