黒い星として-2

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シャルアネットは端に置かれたホワイトボードの前に立ち、丁寧にも文字を描きながら説明を始めた。 「ここはメインストーリーの第2層だ」 私はその言葉に衝撃を受けた。 第2層まで戻ってきたことも勿論ショックだけど、予想以上にみんなと離れてしまった事の方が大きかった。 おそらく問題を乗り越えて、少なくとも第4層をクリアして次の層にいっているはず。 いえ、何となくの予知だったけど、何故か最後の層に近づいている気がする。 今から追いつくことは難しいかもしれない……。 私の驚いた様子を察したのかシャルアネットはしばらくじっと見てきたが、特に何も質問をされる事はなくボードに視線を戻した。 「もう少し話を戻して説明しよう。我々、ホワイトマジックはメインストーリーに入る前に自分たちの領土で襲撃を受けた。そこでかなりの戦力を失うことになったが、チーム内のメンバーの能力で強引にメインストーリーに突入した」 チーム内のメンバーの能力。 私はその言葉にピンときた。 おそらく元新撰組、天草四郎の瞬間移動の能力だろう。 彼の能力ならば、大多数の人間を移動させる事もそう難しくはない。 「入口は通常の基本クエストクリアからの三途の川を超えた先にある地獄の花畑からだ。これは君たちブラックスターが初めてメインストーリーに入った扉だから知っているな?」 「ええ」 シャルアネットは、ホワイトボードに第1層と書いた。
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