黒い星として-2

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俺は辺りを見回した。 仁や土方さんは、どこで戦っているんだ? 周囲の気温が異常に高くなったせいか、景色が大きく歪んでみんながどこに居るかすらわからない……。 体内エネルギーで居場所を探すことすら難しい状況だった。 凄まじい熱気により、全身から汗が噴き出してくる。 その汗は、これだけ熱いにも関わらず、何故か冷たく感じた。 おそらく体が硬直しているせいもあるだろう。 皮膚が焦げているような気すらした。 戦うのすら困難な状況。 集中力が欠けたせいか、アルティメットブレイクが無意識のうちに解除されていた。 すかさず光刀の白煙が、俺の全身を包み込むが、効果はないと言ってもいいほどだった。 おそらく、奴の数メートル以内に入れば、全身が溶けて無くなるかもしれない。 もしくは、身体中が焼けて骨にでもなるのだろうか? 容易にできる想像は、より恐怖を高めた。 何か対抗策を……。 何か考えるんだ。 額から流れる汗を袖で拭いながら必死に考えるが、頭が上手く働かない。 思わず、両膝を地面につけた。 その時、俺の目の前に誰かが立った気がした。 レオンなのだろうか? それとも誰か別の人間なのだろうか? ローブをなびかせながら、その人物は俺を見下ろしていた。
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