黒い星として-2

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外に出て辺りを見渡してみると、他にも同じようなテントがいくつも張られていることがわかった。 多分、数十個はある。 小高い位置に居るのか、テントが張られていない場所にも、多くの人々の姿を確認することができた。 シャルアネットの周りには、何人かが膝をついて地面を見ている。 おそらくホワイトマジックのメンバーが、常にテントを守っているのだろう。 「向こうの主戦力が動く気配は?」 シャルアネットが訊くと、兵士の一人が地面を見たまま答えた。 「ありません。第2層の攻略は時間の問題かと思われます」 「よし。15分後、一気に攻め込むぞ。イエスの回復を待つわけにはいかない」 「了解しました」 「天草の動向は……?」 その質問に、今度は別の兵士が答える。 「先程、ブルーダイヤモンド領土の調査を終えて、だいたいの真相を掴んだとの連絡が入りましたが、その後は通信が途絶えています。もしかすると……」 シャルアネットは、その言葉に視線を落とした。 「消された可能性がある……ということか?」 「い、いえ、それはわかりません」 シャルアネットは小さく舌打ちをすると、振り返り私の方を見てきた。
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