黒い星として-2

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「状況はあまり芳しくない。こちら側の戦力が次々と削られている」 私は厳しい顔をするシャルアネットに向かって質問をした。 「イエスを止めたのは誰なの?」 「アールグレイ、アッサム、ミルクという元運営委員会のメンバーだ。彼らは一人一人の実力が世界の王補佐レベルと踏んで、最前線にぶつけたが、3人が束になってかかっても、イエスを何とか一時的に撃退できるレベルだった」 シャルアネットが近くのテントに近寄り、入口の布を持ち上げた。 中を覗き込んでみると、横たわった三つの人影が浮かび上がる。 私はその光景を見て、衝撃を隠せなかった。 三人の体はほぼ原型を留めず、ばらばらになっていた。 腹や胸、四肢とあらゆる場所が豪快にえぐれている。 生きているの死んでいるのかすらわからないが、私が衝撃を受けたのは別の事だった。 部屋を作り出しているテントから何百本もの手が生えて、それがあらゆる手術用具や、部品と思われる物を持って治療しているように見える。 私がシャルアネットを見ると小さく頷いた。 「何とか治療しているが、おそらく全快になる頃には戦いは終わっている頃かもしれないな」 「もしかして……」 私は辺りを見渡しながら口を開いた。
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