黒い星として-2

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私には、黒い星として何ができるのだろうか。 黒い星は輝きを知らない。 輝きを知らない星は、どんな世界でも沈んでいく。 全てを捨ててもいいから、私は一人の人間のために命を賭けてきたのだから。 その歪つな人間関係を終わらせるためには、私自身が乗り越えてチームの手助けをしなければならない。 私が牙を剥くのはこれが最後になるかもしれない。 だけど今度こそ、その戦い方に誤りはない。 私はみんなの為に手に入れた能力で戦うんだから。 どんな方法であっても、みんなの元に辿り着く。 先を行くみんなの元に追いつく。 黒い星として……。 黒い星の一員として、みんなのところへ行くよ。 ルイ…… 天海…… ユキヤ…… 空…… そしてヒカル。 今、行くから。 「全軍! メインストーリーの攻略を再開する!」 僅か15分後、シャルアネットの言葉でプレイヤーたちが立ち上り、メインストーリーの侵略が再開された。 私はその前線に立ち、初めて本気を出す事に決めたんだ。 過去がわかる能力と、黒田研究員が作り出した最強の能力を使って。 メビウスの輪の美香は、もしかすると今の私と同じ気持ちだったのかもしれない。
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