504人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
私には、黒い星として何ができるのだろうか。
黒い星は輝きを知らない。
輝きを知らない星は、どんな世界でも沈んでいく。
全てを捨ててもいいから、私は一人の人間のために命を賭けてきたのだから。
その歪つな人間関係を終わらせるためには、私自身が乗り越えてチームの手助けをしなければならない。
私が牙を剥くのはこれが最後になるかもしれない。
だけど今度こそ、その戦い方に誤りはない。
私はみんなの為に手に入れた能力で戦うんだから。
どんな方法であっても、みんなの元に辿り着く。
先を行くみんなの元に追いつく。
黒い星として……。
黒い星の一員として、みんなのところへ行くよ。
ルイ……
天海……
ユキヤ……
空……
そしてヒカル。
今、行くから。
「全軍! メインストーリーの攻略を再開する!」
僅か15分後、シャルアネットの言葉でプレイヤーたちが立ち上り、メインストーリーの侵略が再開された。
私はその前線に立ち、初めて本気を出す事に決めたんだ。
過去がわかる能力と、黒田研究員が作り出した最強の能力を使って。
メビウスの輪の美香は、もしかすると今の私と同じ気持ちだったのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!