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目を開けると、どこか別の世界から帰ってきたかのような感覚に陥った。
レオンが放つ灼熱は変わらず、あまりの暑さにそこら中が歪んで見える。
『大丈夫か? 一瞬、気を失っているように見えたぞ?』
ああ。大丈夫だ。
俺が心の中で返事をすると、光刀は『そうか』とだけ呟いた。
「まだ、これからだ」
諦めない……そうシンバさんに教わったから……。
俺は光刀を強く握り締めた。
体から滲み出ている体内エネルギーを抑え込み、ゆっくりと呼吸する。
『何してるんだ? 生身だと死ぬぞ!』
奇跡を起こすしかないだろ……。
自分の手で……。
アイツに対抗するには、どんな事でもやってみなきゃいけない。
思い出せ。思い出すんだ。
死神と戦った時、俺が手にした力の事を……。
俺はゆっくりと自分の体内エネルギーを光刀に送り込んだ。
『これは……』
リミットタイムでもアルティメットブレイクでもない……。
俺が持つ自分だけの力を解放するんだ。
体の中で、か細い声が聞こえたような気がした。
その声の主は光刀じゃない。
初老を感じさせる男の声だった。
存 分 に 発 揮 し ろ
王の力が体の中から溢れはじめる。
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