黒い星として-2

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王の力と俺の体内エネルギーが交わり、光刀が眩い輝きを放ち始めた。 闇に打ち勝つ力。 シンバさんはそう言っていた気がする。 「俺はお前の事お信じているよ。光刀」 その矢先、遠くに立っていたレオンが急接近してきた。 見える……。 通常の状態なら目で追えないほどの速さだが、しっかりと姿を捉えることができた。 俺は光刀から力を解き放った。 光り輝いた白煙。 漂った光る白煙は俺の全身を包み込んだ。 目前まで来たレオンは巨大な刃を振り上げて襲いかかってくる。 俺はその動きを追って、光刀で受け止めた。 大地を揺るがすほどの衝撃音。 レオンが放っている熱を帯びた砂が激しく舞う。 それに伴い、周囲に衝撃波が広がった。 『熱の方は大丈夫みたいだな。だが、長くは持たないぞ』 刃の向こう側。レオンは口元を大きく弛ませた。 「ようやく本気を出せる相手になった。コピーじゃなく、自分自身の手で戦える」 お互いぶつけた刃をただ押し合うが、その度に大地に振動が走る。 どれだけ自分がやれるのかわからない。 ただわかるのは、これが最後の力だということ。 レオンと刃をぶつけ合う手応えで俺は感じた。 これでもまだ、レオンの方が勝っている。
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