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弾けとんだ無数の氷は、流星の如く空から飛来しました。
巨人が踏みつけたような音を奏でて、次々と大地に大きな穴を開けていく。
私は自分の頭上に降ってきた氷をするりと避けて、地面に沈んだ後、その上に乗っかりました。
こんなに大きな敵は、未だかつていないでしょう。
山よりも大きく空を埋め尽くすほどの巨体。
前に会った時よりもまた大きくなっているみたいです。
起き上がった敵の頭は、雲よりも高い場所に位置しています。
「おや?」
私は目を凝らして敵の腹部をじっと見据えました。
血が出てますね。
よく観察してみると、何かが貫通した後みたいです。
おそらくは人の大きさほどの穴。
誰がが先にやった傷でしょうが、あれくらいではかすり傷程度でしょう。
なるほど……。
さて、どんな方法で戦いましょうか。
この大きさで空も飛べるわけですし、高いところから落とすのは意味がないですね。
対峙してみたものの、作戦はない。
対抗策も特には考えていませんでした。
敵が動く気配はありません。
とりあえず、私から攻撃を仕掛けてみましょうか。
私は能力を発動させました。
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