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大地全体に激しく粉塵が舞いあがります。
私は砂埃を防ぐために腕で顔を覆いました。
何て無茶苦茶なんでしょうか。
見渡す限りに敵の体が大地を埋め尽くしています。
しかし、それにしては違和感がありますね。
この怪物の正体は人間です。
それは、体内エネルギーを使用することから見ても間違いないでしょう。
つまりは元々は普通の人間だったのに、ここまで巨大化したということなんです。
これまでに能力で肉体を強化した者たちを何度か見てきましたが、これは異常な事です。
重要なのはここです。
大きさも異常ですが、最も不可思議なのはその肉体の大きさに見合うほどの体内エネルギーを所持している事です。
肉体を巨大化されば増えるというほど体内エネルギーは単純な物ではありません。
巨大化させても体内エネルギーの量はそのままのはず。
推定レベルは、これまでに出会った者たちの中で最高の15万ほど。
他の者よりも明らかな規格外。
考えても意味のないことなのでしょうか?
答えがわかったところで目の前の現実が変わる事はありません。
この敵を倒さない事には過去を乗り越えられません。
おそらく……。
いや、やはりと言うべきですね。
これが私の最後の戦いです。
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