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俺の動きを警戒してか、レオンの体から発せられている熱が急激に高まり大地が溶け出した。
全身が焼けるように熱い。
鉛のように体が重たくなったが、俺は少しでもレオンに近づくために足を前に踏み出した。
レオンが、俺を確実に仕留められると思うであろう範囲内に入る。
ここからが勝負だ。
レオンの右腕に強大な体内エネルギーが集まる。
おそらくエネルギー砲で、俺を跡形もなく消し去るつもりなんだろう。
俺は走る速度を急激に上げて、レオンの懐に飛び込もうとした。
光刀に集まった体内エネルギーを気にしてか、レオンは予定よりも少し早く砲口を俺に向けて発射の構えを取る。
『よし。今だ!』
俺は光刀で斬る動作ではなく、ただ前に差し出して少し屈んだ。
その瞬間、光刀の刀身が花のように開き傘の形へ変化する。
攻撃を行う動作はフェイント。
光刀の作戦は、まず防御に徹することだった。
砲口から放たれたエネルギーを、傘の形へ変化した光刀が受け止める。
鼓膜を叩くような凄まじい音が轟く。
盾の代わりとなった光刀からは予想以上の衝撃が伝わってきた。
溶け始めた大地のせいで足もとがふらつく。
俺は歯を食いしばり、必死にその衝撃に堪えた。
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