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光刀の作戦は、まず傘で攻撃を防ぎ、その直後に相手を怯ませるほどの輝きを放って目をくらます。
当然ながら、レオンは光刀で攻撃してくるのかと思って反応するはず。
これが重要だった。
光を放つ瞬間に、俺が光刀を離すこと。
そして、レオンの背後へ回り込む。
俺は、レオンの体から血に染まった腕を引き抜いた。
光刀の思惑通りだ。
俺はすかさずその場から跳んで、弾かれた光刀をとらえた。
『驚いたな。一撃で決まるとは思わなかった。君の打撃なんて正直期待できないからな』
視線を落として血に染まった腕を見る。
正直、俺も驚いたよ。
その分……。
俺は着地すると同時に、地面へ崩れた。
もう本当に戦う分だけの体内エネルギーが残ってないけどな……。
体の奥底から湧いていた王の力も、自分の体内エネルギーもほとんど残っていない。
体を貫かれたレオンは、溢れる血を手で押さえながらかなり動揺しているようだった。
能力が強制的に解除され、おぼつかない足取りでふらふらとする。
「こ……こんな……はずじゃ……」
虚ろな目は憎悪に満たされて、俺のことをじっと見ていた。
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