龍の心臓部まで-2

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「―――――!」 目の前に立っていたイエスたちは、何者かの手によって風に流されるように一瞬にして姿を消した。 全身から放たれている赤い光と黒い光が混じった凄まじい力。 弾き飛ばされたイエスは、数メートルほど離れた場所で次々と体勢を立て直していく。 そんな中、イエスをまとめて弾き飛ばした人物は、一人のイエスに近づいてさっきと同じ攻撃を繰り出した。 今度は、一人のイエスに近づいてからの攻撃だった。 イエスの体は真っ二つになり、その姿を消していく。 その様子を読んでいた他のイエスたちが、その黒い光と赤い光を放つ者に対して俺の時と同様の対応をしようとするが、その時には既に動いていた。 「あ……」 思わず溢れてきた涙を俺は乱暴に拭った。 その人物は、今度は強烈な突きでまたイエスを撃破する。 こんな実力を持っていたのかと、俺ですら驚く光景だった。 漂う白煙は、その範囲に入る者は命を奪うと警告しているようにすら感じる。 「やっと来たのか」 その赤い光と黒い光を纏っているのは、和也だった。 光刀を構えて、勇ましくイエスに立ち向かう和也を、俺は別人のように感じた。
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