龍の心臓部まで-2

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高い場所から飛び降りた時、いくつかの対処方法はある。 例えば、過去には光刀の形を傘に変えて衝撃を和らげて着地してきた。 でも、この高さじゃそれも通用しないだろう。 じゃあ、体内エネルギーを真下にぶつけて、それをクッション変わりにする方法は……? いや、この方法もこの高さからじゃほぼ無理だ。 この衝撃に堪えられるほどの心力を身に纏う。 これが一番の方法だろうが、俺の体内エネルギーの量だとこの高さに堪えるほどは持ち合わせていない。 空から飛び降りるのとは分けが違うんだ。 どれだけ深いかもわからないのに、あまりにも危険すぎる。 『どんな手を使っても、厳しいかもしれないな。助かる可能性がるとすれば、足に全ての体内エネルギーを集中させてみたらどうだ? 私も煙を最大限に硬質化させて足に集める。そうすれば、運が良ければ足の骨が粉々になるくらいですむかもしれないぞ?』 こんな時でも光刀は冷静な口調だ。 死ぬよりは、最大限にダメージを減らすってことか……。 「ん?」 その時、少し先で小さな光が浮かびあがった。 落下していくと同時に、その光がどんどん自分に近づいてくる。
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