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シャルキーだった。
全身から放出される体内エネルギーは、目で見てもわかるほど凄まじい量である事がわかる。
その放出のおかげだろうか?
いや、何かの能力か?
シャルキーの落下スピードは、俺よりも遥かに遅かった。
まるで、シャルキーの周りだけ重力が違うような印象を受ける。
このスピードで落下するならば、地面に上手く着地できるだろう。
「待っていたわ」
追いついた時、シャルキーは俺の顔を見ながらそう言った。
「そんな能力を隠し持っていたなんて驚きだな」
俺がそう言うと、何故かシャルキーはクスクスと笑った。
「ずっとその敵意を向ける感じ、嫌いじゃないけど話は聞いて」
シャルキーの言葉に返事をする事もなく、俺は先に続き暗闇を見据えた。
「あと10分ほど落下すれば、着地地点に着く。ここからが重要よ。私が今やっている事は能力じゃない。ただ体内エネルギーを全力で放出しているだけ。下に着くまではもたないわ」
俺はそう聞いて、思わずシャルキーに視線を向けた。
シャルキーは体内エネルギーの放出を解除して、俺と同じスピードで落下し始める。
「何が目的なんだ?」
「貴方だけが生き残るの。その方がこの先の運命にとって都合がいいから」
同じ質問をしようとしたが、俺はその言葉を飲み込み、とりあえずシャルキーの話に耳を傾けた。
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