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「貴方が無事に生き残る方法があれば一つしかない」
シャルキーは落下しながらも、俺に近づいてきた。
目の前まで来たシャルキーは、俺の肩を力強く掴んでくる。
「そう……私の体内エネルギーを全て貴方に渡せばいいのよ」
「――――!」
「自分の体内エネルギーと、私の体内エネルギーを合わせれば貴方は地面に着いた時、死ぬ事はない」
「そんな事したら、お前は死ぬんじゃないのか?」
言葉通りになるだろう。
人に体内エネルギーを渡しせば、その分、自分の体内エネルギーが減る。
シャルキーは俺から視線を逸らすと、真上を見ながらこう言った。
「言ったでしょ? 運命は貴方を求めているの。そう、この先の未来を作り出すために。私が予知能力を持ったのも、そしてここに居る意味も……きっと全ては定められていて、貴方を助けるために存在したと言ってもいい」
「そんな事って……」
「それほど残酷な運命がこの先で待ち受けているわ」
肩を掴んだシャルキーの手から、俺の体に体内エネルギーが流れ始めた。
「本当にそんな事をするつもりなのか?」
俺の問いにシャルキーは答えなかった。
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