龍の心臓部まで-2

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「――――!」 シャルキーの手から流れ込んでくる体内エネルギー。 洗練された質の高い鍛えられた体内エネルギーである事がすぐにでもわかるが、驚いたのはシャルキーの今まで体験した思い出が頭の中に流れ込んできた事だ。 他人に自分の体内エネルギーをそのまま流すなんて事は相当な高等技術だ。 それに加えて、自分の思い出を渡す事ができるのは、よほどシャルキーの能力が特殊な状態だからだろう。 ヒカルとの出会い……、変わらなかった運命が変わった事が映し出される。 ブラックスターのメンバーとの思い出。 はるかの離脱。 ユキヤの変貌。 空という子供の成長。 ルイの自由気ままな性格。 卑弥呼さんとは実が仲が良かったこと。 天海のサポート能力の高さ。 二宮の裏での努力。 なんだよ。 これ……。 「私はここで終わりでいい。だから、せめて私の思い出だけは貴方の手で運んでいってほしい。ヒカルたちのところへ……」 ブラックスターをずっと憎んでいた。 自分たちの目的の為に手段を選ばない最低な奴らだって。 だけど、こいつらにはこいつらの視点があるっていうのかよ。
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