518人が本棚に入れています
本棚に追加
自然と涙が溢れていた。
体の奥底から溢れてくる俺の体内エネルギー、そしてシャルキーの体内エネルギーは交わり、爆発的なエネルギーへと変化していく。
確かに、これならまだまだ落下しても持ちそうだ。
力を渡し終えたシャルキーは、体内エネルギーを失ったせいで身のままに落下していく。
目は虚ろになり、意識もあまり無さそうだった。
「本当にいいのかよ。これで……」
俺の言葉に、シャルキーは優しい笑みを浮かべる。
「いいのよ。これで。私を助けようだなんて思わないでね。あいにく2人分の体内エネルギーを足して、やっと1人が助かるほどの事だから。これ以外に選択肢はない」
俺はシャルキーの言葉を聞いて、思わず口を噤んだ。
『おそらく本当の事だろう。まだまだ下が見えないとなると、1人しか助からない事も頷ける』
しばらく落下した後、悩んだ俺はシャルキーにこう訊いた。
「下に到着した後、俺はどうすればいいんだ?」
「簡単よ。終末の木に向かえばいい。その前に世界がどうなるか決まるわ。そうだ。良い事を教えてあげる」
シャルキーは今にも意識を失いそうなほど疲弊している。
「最後の質問には“いいえ”と答えるのよ。それが助かる道になるわ」
最後の質問?
最初のコメントを投稿しよう!