龍の心臓部まで-2

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自分の体から放たれる赤い光と黒い光。 その二つが折り重なり、左右に広がる崖を大きく抉った。 それほどまで自分で扱えないほど巨大な力だったが、俺は何とか自分の足に集中させようと試みる。 『慌てるな。まだ時間はある』 わかってる。 暴れ回る赤い光と黒い光。 俺は引き寄せるようにして、その力を足に密集させていく。 どんどん足に力が集まり始めた。 「よし……」 息苦しくて、風船が破裂するように今にも張り裂けそうな状態だが硬質化させた白い煙の周囲にアルティメットブレイクの力が加わっていく。 『その調子だ。あと8秒で地面に接触するぞ』 地面がもうだいぶ近く感じた。 まるでこっちに迫ってきているかのような不思議な感覚に陥る。 力がコントロールできていない事で焦りは覚えていたが、シャルキーの力がある事で不安な気持ちにはならなかった。 このまま衝突しても、俺は死なない。 その時、全ての力が足に集まり終えた。 入り交じる赤い光と黒い光。 輝きを放ちながら、膨大なエネルギーを消耗していく。 この先に龍の心臓分があるんだよな? 次の瞬間、俺は地面に衝突した。
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