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足に溜めていた力が衝撃を吸収すると共に、一気に弾け飛ぶ。
光刀に纏わせていた力が無くなると、硬質化させた白い煙が最後の衝撃を和らげていく。
それでも衝撃がおさまることはなく、硬質化させた白い煙が割れると共に、俺は勢いよく地面に転がった。
大丈夫か!?
光刀!
『問題ない。寸前のところで硬質化は解除したからな』
砕け散った白い煙が段々と元の姿を取り戻し始める。
『君の体内エネルギーを私も貰っているからな。シャルキーという女性から受け継いだ体内エネルギーは大きいぞ。彼女のおかげで君と私が助かったのは間違いない』
俺はその言葉である事に気が付いた。
シャルキーは俺だけじゃなくて、光刀も救おうとしていたって事か……?
だからこそ、シャルキーは自分が助からない道を選んだ……?
崖に囲まれて薄暗い道だが、遠くの方に光が見える。
あそこまで行けば、龍の心臓部に辿り着くってことか……?
「うっ」
急激に頭が痛くなり、俺はその場に膝をついた。
なんだ?
これ?
頭が痛い。
体の中に僅かに残っているシャルキーの体内エネルギーが、体の中で暴れている?
未来と過去の能力。
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