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そうだ……。
ただ体内エネルギーが自分の中に流れてきたわけじゃなく、シャルキーの能力が自分に渡ってきた?
そもそもシャルキーの能力は、何だったんだ?
体内エネルギーを人に渡す事は確かに可能だが、ここまで渡す事は普通はできないはず。
まるで、シャルキーそのものが俺の中に流れてきた感じだ。
『大丈夫か……?』
ああ……。
脳に刻み込まれているシャルキーの記憶。
シャルキーが知るはずのない経験も何故か頭の中に残っている。
過去を知る能力は、アレクサンドロスの子供から手に入れたのか?
未来を知る能力は、自分が元から持っていた力……?
シャルキーが自分で作った能力は、他人の能力を奪う力?
だからこそ、過去の能力を奪う事ができたのか?
この先に全ての真実が待っている気がする。
俺は足もとをふらつかせながら、その道をたどり始めた。
仁……美沙……杏奈……。
そして……はるか。
この先で待っているはずだ。
今……行くから。
待っててくれ。
段々と脳が覚醒してきた。
さっきまでぼんやりとしていたが、今は水をかけられたかのうように、頭の中ではっきりとしている。
崖が終わり、開けた場所に出た俺は辺りを見回した。
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