龍の心臓部まで-2

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そうだ……。 ただ体内エネルギーが自分の中に流れてきたわけじゃなく、シャルキーの能力が自分に渡ってきた? そもそもシャルキーの能力は、何だったんだ? 体内エネルギーを人に渡す事は確かに可能だが、ここまで渡す事は普通はできないはず。 まるで、シャルキーそのものが俺の中に流れてきた感じだ。 『大丈夫か……?』 ああ……。 脳に刻み込まれているシャルキーの記憶。 シャルキーが知るはずのない経験も何故か頭の中に残っている。 過去を知る能力は、アレクサンドロスの子供から手に入れたのか? 未来を知る能力は、自分が元から持っていた力……? シャルキーが自分で作った能力は、他人の能力を奪う力? だからこそ、過去の能力を奪う事ができたのか? この先に全ての真実が待っている気がする。 俺は足もとをふらつかせながら、その道をたどり始めた。 仁……美沙……杏奈……。 そして……はるか。 この先で待っているはずだ。 今……行くから。 待っててくれ。 段々と脳が覚醒してきた。 さっきまでぼんやりとしていたが、今は水をかけられたかのうように、頭の中ではっきりとしている。 崖が終わり、開けた場所に出た俺は辺りを見回した。
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