龍の心臓部まで-2

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――――古手川仁―――― 獅子の足を使い、最速で走り続けたおかげだろう。 俺はようやく美沙と杏奈の乗る爬虫類に追いつくことができた。 「仁くん……!」 杏奈が俺の事に気が付いて降りてくる。 「やっと追いついたな」 息はとっくに上がっていた。 途中で休憩を挟もうかと思ったが、今となっては走り続けてよかったと思っている。 美沙も降りてくると、バッグから水を取り出して俺に渡してくれた。 おそらくフードガンで作り出した水をストックして持っていてくれたのだろう。 俺はそれを一気に飲み干してから口を開いた。 「他のプレイヤーはいないのか?」 「まだいないわ」 杏奈は後ろを見ながらそう答えた。 俺たち以外に、ここまで辿り着いたプレイヤーはいないってことか。 「敵に襲われなかったか?」 次の質問に、杏奈と美沙は同時に頷いた。 「あれ以来、敵は来てないわ。大丈夫だったの?」 「何とかな」 俺は答えながらも、前方を見据えた。 どうやら終わりが近づいてきたみたいだ。 視線の先に映し出される光景は……。 杏奈と美沙も俺の視線の先を追う。 「あれが龍の心臓部の入口……」 視線の先には、巨大な龍のオブジェと共に見上げるほど高い門が設置されていた。
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