龍の心臓部まで-2

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門の扉は既に開かれた状態になっていた。 「何あれー」 美沙が、驚きながらも言葉を発した。 その門の奥には、巨大な穴が待ち待ち構えている。 見たところ、穴の外周には階段が作られていて、それが下に続いているようだった。 あの階段を降りて行けば、終末の木に辿り着くってことか? 「やっとここまで来たんだね」 杏奈も俺と同じ場所を見ながら、小さな声でそう呟いた。 美沙は先に走り出して、少し前に進んだところで立ち止まると、振り返りながら門を指差した。 「早く行こうー! ブラックアウトの終わりが見えてきたんだから!」 そうだ……。 この先にある終末の木を破壊すれば、世界が変わる瞬間も止まって、ブラックアウトが終わるはず。 見たところ敵の姿はないみたいだ。 俺たちは終末の木を目指せばいい。 「待て」 美沙は、俺たちの事を気にせずにさらに先に進もうとした。 なんだ? この嫌な感じは……? 「どうしたの? 仁くん」 近くに見えるはずの門が、実際に目で見ているよりも遠くに感じた。 どうしてそう思ったのかはわからないが、遠くに思えたんだ……。 美沙はどんどん門に向かって走っていく。
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