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警報が頭の中で鳴る事は無かった。
ただ、自分の身が危険である事を本能が告げている。
目の前に突然、3匹の化け物が現れたという表現が一番正しいだろう。
人の大きさをしている事は間違いないが、像のように巨大に見える錯覚を起こした。
また、自分の大きさが蟻ほどに感じるほどちっぽけな存在に感じる。
戦慄する中、先に動き出したのは杏奈だった。
3体のイエスの周囲に浮かぶ無数の水滴。
その瞬間、刃のように鋭くなり様々な方向からイエスに襲いかかる。
3体のイエスがそれぞれ地を蹴り、空へと高く飛んだ。
対象を失った事で刃となった無数の水滴がぶつかり合い、激しく弾け飛ぶ。
「――――!」
杏奈はイエスたちが回避した空よりも少し高い場所で先に待機していた。
両手に集められた体内エネルギー。
イエスたちの行動を予測して、先回りしていたのか?
罠にかかったように杏奈に近づいたイエスたち。
その瞬間、イエスたちの頭上から衝撃波のように激しい水流が放たれた。
あっという間に衝撃波に飲み込まれたイエスたちは、一気に空から地上へ叩きつけられた。
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