龍の心臓部まで-2

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全身に死神の力が広がっていく。 体を蝕んでいるのが良く分かった。 このまま力を使い続ければ、死神がまた生まれる事はないだろうが俺の命を喰いつくし、そして共に息絶えるだろう。 それでいい……。 俺はとっくに死んでいるも同然なんだから。 今、自分にできる全ての事をやろう。 俺は牙から体内エネルギーをさらに放出した。 禍々しい力が広がっていく。 生き残ったイエスはあと2人。 一人ずつなら、この牙の力で一撃で仕留める事ができるはずだ。 イエスよりも俺が優れているもの。 それはスピードだ。 向こうよりも速く動ける以上は、向こうの背後を取ることができる。 出し惜しみをするつもりはない。 一気に決める。 「――――!」 次のイエスに攻撃を仕掛けようとした瞬間、俺は踏み出した足を無理矢理止めた。 イエスが再び3人に戻っている……。 そして、さらに目を疑う光景が映し出された。 増え続けるイエスは、いつの間にか倍の6人になっている。 「何だよ……これ」 無限にとさえ思えるほどのイエスの体内エネルギーの量。 「お前、一人で相手にできるかな?」 6人になったイエスは、それぞれ強烈な体内エネルギーを全身から溢れさせている。 絶望が目の前に広がった。
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