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全身に死神の力が広がっていく。
体を蝕んでいるのが良く分かった。
このまま力を使い続ければ、死神がまた生まれる事はないだろうが俺の命を喰いつくし、そして共に息絶えるだろう。
それでいい……。
俺はとっくに死んでいるも同然なんだから。
今、自分にできる全ての事をやろう。
俺は牙から体内エネルギーをさらに放出した。
禍々しい力が広がっていく。
生き残ったイエスはあと2人。
一人ずつなら、この牙の力で一撃で仕留める事ができるはずだ。
イエスよりも俺が優れているもの。
それはスピードだ。
向こうよりも速く動ける以上は、向こうの背後を取ることができる。
出し惜しみをするつもりはない。
一気に決める。
「――――!」
次のイエスに攻撃を仕掛けようとした瞬間、俺は踏み出した足を無理矢理止めた。
イエスが再び3人に戻っている……。
そして、さらに目を疑う光景が映し出された。
増え続けるイエスは、いつの間にか倍の6人になっている。
「何だよ……これ」
無限にとさえ思えるほどのイエスの体内エネルギーの量。
「お前、一人で相手にできるかな?」
6人になったイエスは、それぞれ強烈な体内エネルギーを全身から溢れさせている。
絶望が目の前に広がった。
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