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信じられないが、青白い体内エネルギーは俺の傷口を綺麗に治療した。
「一体……どうやって……?」
俺が疑問を口にすると、渋谷和也はイエスに視線を戻しながらこう言った。
「俺も分からない」
予想外の答えを聞いて、俺は自分の胸の傷を見た。
やっぱり完治している。
見て、ほとんど分からないほどの傷口だ。
これまで無表情を保ってきた渋谷和也が少し戸惑った顔をした。
「自分でもよく分からない。シャルキーの体内エネルギーを貰ってから、常に体の中で変化があって、未来が見えたり、過去が見えたり、頭がおかしくなりそうだ。だけど、何かを感じたり、何かを思ったりしたらすぐに行動するしかないだろ? 今、治療できそうと思ったから体内エネルギーを渡しただけだ」
そう言いながら、光刀を構えなおした。
俺を治療するのに、よっぽどの体内エネルギーを消費したのだろう。
渋谷和也の体内エネルギーは、イエスとは違って明らかに減っていた。
「俺だけの力じゃ倒せない。神刀の力が必要だと思ったからこそだ」
呟くように言う渋谷和也。
「見ろ。始まるぞ」
渋谷和也は鋭い目つきをして、イエスを見ながらそう言った。
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